「どうして好きなの?」
そう聞かれて、すぐ答えられるものもあります。
デザインがいいから。
性能がいいから。
便利だから。
おいしいから。
でも、本当に好きなものほど、意外とうまく説明できなかったりします。
「どこが好き?」
と聞かれて、
しばらく考えて、
結局出てくるのは、
「いや……なんか好きなんだよね。」
今日は、この「なんか好き」について書いてみたいと思います。
好きになるのに、理由は必要なんだろうか。
人は何かを説明しようとすると、理由を探します。
なぜ買ったのか。
なぜ始めたのか。
なぜ続けているのか。
なぜ好きなのか。
理由がある方が、なんとなくちゃんとして見える。
でも、好きという感情はそんなに理屈どおりではありません。
音楽だってそうです。
最初の数秒を聴いただけで、
「あ、これ好き。」
と思うことがある。
食べ物だってそう。
服だってそう。
車だってそう。
人だってそうかもしれません。
あとから理由はいくらでもつけられる。
でも最初に心が動いた瞬間って、もっと単純です。
「なんかいい。」
そこから始まっていることが多い。
MINIなんて、まさにそうかもしれない。
MINIが好きな人に、
「なぜMINIなんですか?」
と聞けば、いろんな答えが返ってくると思います。
デザイン。
サイズ。
歴史。
走り。
個性。
ローバーミニなら、あの独特の佇まい。
BMW MINIなら、受け継がれながら変化してきた世界観。
いくらでも説明できます。
でも、それだけでしょうか。
街を歩いていてMINIが停まっている。
つい見る。
駐車場にMINIがいる。
つい隣を見てしまう。
同じMINI乗りとすれ違う。
なんとなく嬉しい。
理屈じゃないんですよね(笑)。
好きだから、見てしまう。
それだけです。
僕がMINIBAKKAを始めた根っこにも、結局これがあるのだと思います。
Mochiesも、そこまで行きたい。
昨日のブログで書きました。
いつか絵を見ただけで、
「あ、だいふくーだ。」
と言ってもらいたい。
これは今の目標の一つです。
でも今日考えていたら、その先がありました。
名前を覚えてもらうだけじゃない。
だいふくーを見た時に、
「なんか、この子好き。」
と思ってもらいたい。
理由なんてなくていい。
白くて丸いからでもいい。
顔が好きでもいい。
もちもちしてそうだからでもいい(笑)。
旅をしている姿が好きでもいい。
物語を読んで好きになってくれてもいい。
もっと言えば、理由なんて本人にも分からなくていい。
スマホを見ていて、だいふくーが出てきた。
指が止まる。
ちょっと見る。
なんとなく笑う。
それって、キャラクターにとってものすごく幸せなことだと思います。
「いいもの」と「好きなもの」は少し違う。
これは商品づくりでも感じます。
「これはデザイン的に優れている。」
「これは完成度が高い。」
「これはよくできている。」
もちろん大切です。
でも、
完成度が高い=好きになる
ではありません。
ちょっと不格好でも好きなものがある。
不便なのに手放せないものがある。
もっと性能のいいものがあるのに、ずっと使っているものがある。
ありますよね。
そこには数字で測れないものがあります。
思い出だったり。
愛着だったり。
自分らしさだったり。
だからMINIBAKKAの商品を考える時も、Mochiesを作る時も、
「上手に作る」
だけでは足りないんだろうと思います。
最後に必要なのは、
心に引っかかる何か。
それを探しているのかもしれません。
だいふくーは、完璧じゃなくていい。
主人公だからといって、だいふくーに特別な能力はありません。
空も飛ばない。
世界を救わない。
ものすごく強いわけでもない。
基本的には、白くて丸いお餅です(笑)。
旅をして、
誰かに出会って、
話して、
ときどき迷って、
また歩く。
それだけ。
でも僕は、それでいいと思っています。
むしろ、
「何もすごくないのに、なんか好き。」
そんなキャラクターになってくれたら最高です。
人だって同じじゃないだろうか。
考えてみれば、人間関係だってそうです。
ものすごく優秀だから友達になるわけではない。
肩書きが立派だから一緒にいたいわけでもない。
「なんか、この人といると楽なんだよな。」
「なんか話しやすい。」
「なんかまた会いたい。」
そんなところから関係が始まります。
「なんか」って、曖昧な言葉です。
でも、人の感情ってそもそも曖昧なんですよね。
全部説明できるものではありません。
だから、
説明できない気持ちを、無理に説明しなくてもいい。
最近そう思います。
58歳になっても、「好き」は増える。
年齢を重ねると、好きなものは減っていくのかなと思っていました。
ところが、全然そんなことはありません(笑)。
むしろ増えています。
MINIがある。
MINIBAKKAがある。
Mochiesがある。
物語を書くことも始めた。
動画にも挑戦している。
昔なら考えなかったことを、今やっています。
それも結局、
「やった方が得だから」
だけではありません。
やってみたいから。
面白そうだから。
なんか好きだから。
それで始めています。
58歳になっても「好き」は増える。
だったら、まだまだ面白い。
商売だからこそ、「好き」を忘れたくない。
MINIBAKKAは会社です。
だから売上は必要です。
商品を売らなければならない。
Mochiesだって、本気で育てるなら収益化を考えなければならない。
そこはきれいごとでは済みません。
でも、数字だけを追い始めると、
「そもそも、なんでこれを作っていたんだっけ?」
となる危険もあります。
だから時々、原点に戻る。
好きだから。
この一言は、案外強い。
好きだから調べる。
好きだから細かいところが気になる。
好きだから直す。
好きだからまた作る。
誰かに言われなくてもやる。
仕事として続けるためには数字が必要。
でも、長く続けるための燃料には「好き」が必要なんだと思います。
好きなものに、履歴書はいらない。
「58歳でキャラクター?」
いいじゃないですか(笑)。
「今から物語?」
いい。
「今からTikTok?」
それもいい。
やってみたいなら、やってみればいい。
好きなものに年齢制限はありません。
そして、
「なぜそれをやるんですか?」
と聞かれたら、立派な答えを用意しなくてもいい。
「なんか好きだから。」
それで始めたものが、人生を変えることだってあるかもしれません。
今日、あなたが「なんか好き」と思ったものは何ですか。
大げさなものでなくていい。
一台の車。
一曲の音楽。
一杯のコーヒー。
古い服。
近所の店。
誰かの笑い方。
そして、もしそこに、
白くて丸いお餅のキャラクターが入ってくれたら嬉しい(笑)。
「この子、何?」
「だいふくー。」
「へえ。」
それでいい。
そして何度か会ったあと、
「なんか、だいふくー好きなんだよな。」
そんなふうに言ってもらえたら。
僕にとっては、それはものすごく大きな成功です。
「なんか好き。」から始めよう。
理由は、あとから見つかるかもしれません。
見つからなくてもいい。
好きなものを好きと言える。
会いたい人に会う。
作りたいものを作る。
行きたい場所へ行く。
人生には、説明できない選択があってもいい。
だいふくーだって、
「なぜ日本中を旅しているんですか?」
なんて聞かれたら、困るかもしれません。
たぶん少し考えて、
こう答えるんじゃないかな。
「なんか、行ってみたいから。」
それくらいでいい。
好きなものにまで、立派な理由はいらない。
「なんか好き。」は、案外いちばん強い。
そして、いつか誰かの「なんか好き」の中に、
だいふくーがいてくれたらいいな。
今日も、もちもち。
なんでもない日が、いちばんいい。🍡
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