今日は、ちょっと特別な日になりました。
長女が初めて、我が家のローバーミニを運転しました。
1995年式、赤のローバーミニ・モンテカルロ。
僕にとっては、単なる古いクルマではありません。
MINIBAKKAを始めるずっと前から、MINIというクルマにはたくさんの思い出があります。
札幌にいたころ、初めて新車で買ったローバーミニ。
それからBMW MINIへ乗り継ぎ、いろいろなMINIと時間を過ごしてきました。
そして再び、ローバーミニへ。
そんな僕の隣で、今日は娘が運転席に座りました。
「これ、本当に運転できるの?」
今のクルマに慣れている人がローバーミニに乗ると、たぶん最初に驚くと思います。
何もかもが違う。
ハンドルは重い。
アクセルも、ブレーキも、今のクルマとは感覚が違う。
車内は小さい。
目線も低い。
エンジンの音も近い。
そして何より、
クルマを自分で動かしている感覚が、とにかく濃い。
今のクルマなら当たり前に助けてくれるものを、ローバーミニはあまり助けてくれません。
だから僕も助手席から、
「ゆっくり」
「大丈夫」
「ハンドル、思ってるより重いで」
そんなことを言いながら見守りました。
最初は、やっぱり緊張していたと思います。
僕も緊張していました(笑)。
自分で運転するより、
娘が自分の大切なローバーミニを運転している助手席の方が、よっぽど緊張する。
これは今日、初めて知りました。
でも、少しずつ変わっていった。
最初は恐る恐る。
ハンドルを握る手にも力が入っている。
でも、しばらくすると少しずつ慣れてくる。
発進する。
曲がる。
止まる。
また走り出す。
その繰り返し。
そして助手席から娘を見ながら、僕は不思議な気持ちになりました。
ああ、この子がローバーミニを運転してるんや。
それだけのことなんです。
でも僕にとっては、それだけじゃなかった。
MINIとの時間が、次の世代へ。
僕が初めてローバーミニに出会ったのは、娘が生まれるよりずっと前。
当時の僕は、まさか何十年後に自分で会社を立ち上げて、
「MINIBAKKA」
なんていう名前をつけて、毎日のようにMINIのことを考えているなんて想像もしていませんでした。
ましてや、
自分の娘がローバーミニのハンドルを握る日が来るなんて。
人生って面白い。
クルマは機械です。
いつか古くなる。
壊れることもある。
部品を交換しなければならないこともある。
でも、そこに積み重なった記憶は古くならない。
むしろ時間が経つほど、価値が増していくような気がします。
僕がローバーミニに乗ってきた時間。
家族とMINIで出かけた時間。
MINIBAKKAを始めた時間。
そして今日、
そこに新しく、
「娘が初めてローバーミニを運転した日」
が加わりました。
「好き」は、教えるものじゃない。
娘に、
「MINIを好きになれ」
と言ったことはありません。
僕が好きだからといって、子どもまで同じものを好きになる必要もない。
それでいいと思っています。
でも今日、娘がローバーミニを運転している姿を見ていて思いました。
好きなものって、
無理に引き継がせるものではなく、
楽しんでいる姿を見せているうちに、何かが伝わっていくものなのかもしれない。
僕がずっとMINIを好きでいる。
MINIの話をする。
MINIで出かける。
MINIの会社まで作ってしまう(笑)。
そんな父親をずっと見てきた娘が、今日初めてローバーミニの運転席に座った。
それだけで十分です。
いつか、一人で走っていく日。
今日は僕が助手席にいました。
でも、いつか。
娘が一人でこのローバーミニを運転する日が来るかもしれません。
そのとき僕は、
今日以上に心配するんでしょう(笑)。
でも同時に、
きっと少しうれしい。
赤い小さなローバーミニが走っていく。
その運転席にいるのは僕ではなく、娘。
そんな後ろ姿を見る日が来たら、
今日のことを思い出すと思います。
最初の発進。
最初のハンドル。
少し緊張した表情。
そして、少しずつ慣れていったこと。
MINIって、やっぱり面白い。
ただ移動するためだけのクルマなら、こんな気持ちにはならなかったかもしれません。
人と人をつなぐ。
時間と時間をつなぐ。
そして時には、
世代までつないでくれる。
今日、僕のローバーミニのハンドルを、
初めて娘が握りました。
小さな出来事だけれど、
僕にとっては忘れたくない一日です。
そしていつの日か、
「最初にローバーミニを運転したとき、お父さん横におったな」
そんなふうに娘が思い出してくれたら、それでいい。
MINIの思い出は、走った距離だけじゃない。
誰と走ったか。 誰にハンドルを渡したか。 そこに、残っていく。
今日またひとつ、
我が家のMINIに新しい物語が増えました。
MINI IS MORE THAN A CAR.
MINIBAKKA