「今日は、どこまで行こうかな?」
だいふくーが地図を広げます。
目的地は決まっている。
行く道も、だいたい分かっている。
ところが、歩いていると、どこからかおいしそうな匂いがしてきました。
「あれ?」
気になって、小さな道を曲がってみる。
すると、そこには知らないお餅屋さん。
予定にはなかった場所。
会うはずのなかった誰か。
今日の「夜もっち」は、そんな小さな寄り道の話でした。
でも、書きながら思いました。
人生って、案外こういうことの繰り返しなんじゃないだろうか。
今日は、そんな話です。
予定どおりに進む人生が、いい人生なのか。
若い頃、人生にはある程度の順番があると思っていました。
学校を卒業する。
会社に入る。
仕事を覚える。
経験を積む。
役職が上がる。
定年まで働く。
そして、退職後の生活を楽しむ。
もちろん、人によって違いはあります。
でも、少なくとも僕が若い頃には、そんな人生の道筋が一つの標準的な形としてありました。
僕自身も、33年間会社員として働いてきました。
仕事には目標があります。
年度計画があります。
売上目標があります。
期限があります。
計画を立てて、それを達成する。
それが当たり前の世界でした。
そして、計画どおりに進めることが評価される。
もちろん、仕事では大切なことです。
でも、人生そのものまで、計画どおりでなければいけないのでしょうか。
最近は、少し違う気がしています。
33年前の自分は、今の自分を想像できただろうか。
もし33年前の自分に会えたら、聞いてみたいことがあります。
「58歳になったら、何をしていると思う?」
きっと、いろんな答えが返ってくるでしょう。
でも、おそらく、
「MINI好きのための会社を作っている。」
とは答えないと思います。
まして、
「お餅のキャラクターを作って、日本一周の物語を書いている。」
なんて、絶対に想像しないでしょう(笑)。
さらに、小説まで書き始めている。
SNSに毎日投稿している。
TikTokにも挑戦している。
33年前の自分が聞いたら、
「何を言っているんだ?」
と思うかもしれません。
でも、今の僕は実際にそんな毎日を送っています。
人生の面白さは、昔の自分が想像できなかった場所にいることなのかもしれません。
ローバーミニとの出会いも、人生の寄り道だった。
MINIBAKKAを始めるずっと前。
札幌で暮らしていた頃、ローバーミニを購入しました。
その時、将来MINIをテーマに会社を作るなんて考えていたでしょうか。
もちろん、そんな計画はありませんでした。
ただ、MINIが好きだった。
乗ってみたかった。
あの小さな車に惹かれた。
それだけです。
でも、何十年も経ってから、その「好き」が会社の名前になりました。
MINIBAKKA。
ローバーミニとBMW MINI。
二つの時代をつなぎ、MINIが好きな人たちをつなぐブランドです。
もし、あの時ローバーミニに出会っていなかったら。
今のMINIBAKKAはなかったかもしれません。
人生の大きな転機は、必ずしも大きな決断から始まるわけではない。
「なんか好きだな。」という小さな気持ちが、何十年も先につながることがある。
これは本当に面白いことです。
MINIBAKKAから、なぜお餅の物語が生まれたのか。
考えてみると、これも不思議です。
MINIBAKKAは、MINIを愛する人たちのためのブランドです。
車のデザインを考える。
Tシャツを作る。
グッズを作る。
SNSで発信する。
それが中心でした。
ところが、創作を続けているうちに、別の世界が生まれました。
「もっちもちMochies」です。
主人公は、白くて丸いお餅。
名前は、だいふくー。
日本中を旅して、各地のお餅に出会う。
ずんだー。
あべたん。
みたらん三兄弟。
かしわん。
いそベー。
くずもー。
さくらん。
あんころん。
そして、旅は出雲、太宰府、伊勢、京都へ。
気づけば15話になりました。
最初から、こんな計画があったわけではありません。
作ってみた。
面白かった。
次の仲間を考えた。
物語が生まれた。
その繰り返しです。
まさに、予定表の外にあった世界です。
寄り道と、無計画は違う。
ここは少し大切なところだと思います。
寄り道が面白いからといって、何も考えずに動けばいいわけではありません。
MINIBAKKAは会社です。
売上が必要です。
利益を出さなければなりません。
商品を売る仕組みを作る必要があります。
Mochiesだって、ただかわいいキャラクターを描いているだけでは、事業として育ちません。
出版。
グッズ。
動画。
SNS。
収益化につながる道筋を考えなければいけない。
そこは現実です。
でも、計画を立てることと、計画以外の可能性を閉ざすことは違います。
目的地は持つ。でも、道順は一つに決めつけない。
僕は、これが大切なのではないかと思います。
目的地へ向かう途中で、面白そうな道を見つけたら、少し入ってみる。
違ったら戻ればいい。
新しい発見があれば、そこから別の道が開くかもしれない。
ただし、時間もお金も無限ではありません。
だからこそ、寄り道にも自分なりの判断が必要です。
予定にない出会いが、人を変える。
人生を振り返ると、予定していなかった出会いがたくさんあります。
仕事で偶然一緒になった人。
転勤先で知り合った人。
趣味を通じて出会った人。
何気ない会話から親しくなった人。
最初から、
「この人は将来、自分に大きな影響を与える。」
なんて分かりません。
むしろ、その時には何とも思っていなかった出会いが、あとになって大切になることがあります。
だいふくーの旅も、そうです。
最初から全員に会う予定だったわけではありません。
ある町で、ずんだーに出会う。
別の町で、かしわんに出会う。
また別の町で、いそベーに出会う。
その一つひとつが、だいふくーの世界を広げていく。
知らなかった誰かに出会うことで、自分の知らなかった部分にも気づく。
旅には、そんな力があるのかもしれません。
58歳からの人生には、まだ白紙のページがある。
58歳という年齢を、どう考えるか。
もう58歳。
そう考えることもできます。
でも僕は最近、
まだ58歳。
そう考えたいと思っています。
もちろん、若い頃と同じではありません。
体力も違う。
時間の使い方も変わる。
守らなければならないものもあります。
だから、何でも無謀に挑戦すればいいとは思いません。
でも、これから何が起こるか分からないという意味では、人生はまだまだ面白い。
小説を書くなんて、少し前まで考えていませんでした。
それが今、物語を書き始めています。
『零等星――あなたの思い出、買い取ります。』
58歳で会社を辞めた男が、自分の価値を問い直す物語です。
これもまた、予定表にはなかった挑戦です。
MINIBAKKAを始めた時、将来小説を書くなんて計画にはありませんでした。
でも、書いてみたいと思った。
だから書き始めた。
その先に何があるかは、まだ分かりません。
分からないからこそ、次のページをめくる楽しみがある。
失敗した寄り道にも、意味はあるのか。
ここで、もう一つ考えておきたいことがあります。
寄り道が、必ず素晴らしい結果につながるわけではありません。
時間を使ったのに、何も生まれなかった。
お金をかけたのに、売れなかった。
挑戦したけれど、思うようにいかなかった。
そんなこともあります。
僕だって、これから何度も経験するでしょう。
でも、その時に考えたいのは、
「この寄り道から何を持ち帰れたか。」
ということです。
何も学べなかったなら、次はやり方を変える。
失敗の原因が分かったなら、次に生かす。
そもそも進むべき道ではなかったと分かったなら、それも判断材料になります。
寄り道は、必ず成功しなければならないものではない。
ただし、同じ失敗を何度も繰り返さないようにする。
それが大人の寄り道なのかもしれません。
SNSだって、思いがけない出会いの場所になる。
今、毎日SNSで発信しています。
Instagram。
X。
note。
TikTok。
誰が見てくれるか分かりません。
どの投稿が誰に届くかも分かりません。
でも、だから面白い。
ある人はMINIの投稿を見てくれる。
ある人はMochiesの物語を読んでくれる。
ある人は介護の記事を見つけてくれる。
そして、ある人は小説に興味を持ってくれるかもしれません。
入り口は違っても、そこから新しいつながりが生まれる可能性があります。
もちろん、ただ投稿しているだけでは十分ではありません。
何が届いているのか。
何が読まれているのか。
どんな人に必要とされているのか。
それを考えながら改善していく必要があります。
でも、その改善の中にも、思いがけない発見があるはずです。
地図に描かれていない景色を見たい。
だいふくーは、今日も地図を持っています。
でも、地図には全部は載っていません。
お餅屋さんの前を通った時の甘い匂い。
路地の奥から聞こえてくる笑い声。
夕方の空の色。
知らない誰かとの会話。
そんなものは、地図には描かれていません。
行ってみなければ分からない。
歩いてみなければ出会えない。
そして、予定を少し変えてみなければ、見つからないものもあります。
これは、人生も同じです。
計画は必要です。
目標も必要です。
でも、目の前に現れた新しい可能性を、最初の計画にないという理由だけで見逃したくはありません。
だいふくー、今日はどこへ行こうか。
「今日は、どこまで行こうかな?」
地図を広げるだいふくー。
でも、今日は少しだけ地図を閉じてみよう。
いつもなら通り過ぎる小道。
気になっていた小さなお店。
まだ話したことのない誰か。
そこに何があるかは分からない。
何もないかもしれない。
でも、思いがけない出会いが待っているかもしれない。
人生だって、そうです。
33年間の会社員生活から、MINIBAKKAへ。
MINIBAKKAから、Mochiesへ。
そして小説へ。
振り返ってみれば、どれも最初の予定表にはなかった道でした。
でも、今はその道を歩いています。
だから、これからも計画は立てます。
目標も追います。
売上も作ります。
そのうえで、面白そうな小道を見つけたら、少しだけのぞいてみたい。
人生の面白いことは、案外、予定表の外にある。
だいふくー。
明日は、どんな道を歩こうか。
今日も、もちもち。🍡
なんでもない日が、いちばんいい。
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