―「怖い」から「ちょっと楽しい」へ変わっていく時間―
今日は、長女の2回目のローバーミニ運転練習でした。
前回、初めて運転席に座ったときは、こちらまで緊張しました。
何しろ今どきのクルマとは全然違う。
重いハンドル。
独特のクラッチ。
アクセルやブレーキの感覚。
小さなボディ。
低い目線。
そして、いろいろと親切に助けてくれない(笑)。
それがローバーミニです。
前回は、とにかく、
「動かす」
ことで精いっぱいだったと思います。
でも今日、助手席に座って娘の運転を見ていると、
「あ、前回とは違うな」
と思う瞬間が何度もありました。
たった2回目。でも、ちゃんと違う。
人間って面白いですね。
前回あれだけ慎重だったことが、2回目になると少し自然になっている。
発進する。
ハンドルを切る。
曲がる。
止まる。
また走り出す。
もちろん、まだまだ練習です。
でも、
クルマと会話し始めた感じ
が少し出てきました。
ローバーミニって、不思議なクルマです。
最新のクルマのように、
「誰が乗っても簡単」
ではない。
むしろ最初は、
「なんでこんなにハンドル重いの?」
「こんな感じでいいの?」
となる。
でも少しずつ慣れてくると、その不便さが面白さに変わっていく。
自分で操作している。
自分で走らせている。
そんな感覚が強くなっていく。
これこそ、ローバーミニの魅力なのかもしれません。
助手席の父親も、2回目です。
そして娘だけではありません。
僕も、
「娘が運転するローバーミニの助手席」2回目(笑)。
前回よりは少し余裕がありました。
……少しだけですが(笑)。
自分で運転しているときには何とも思わない道でも、助手席にいると景色が違います。
「そこ、ゆっくり」
「大丈夫」
「そうそう」
ついつい言ってしまう。
娘からしたら、
「分かってるって」
と思っているかもしれません(笑)。
でも、これも今しかできない時間です。
何回か練習すれば、僕が横に乗らなくても普通に運転するようになるでしょう。
そう考えると、
このちょっと緊張する助手席も、
いつか懐かしくなるんでしょうね。
僕が教えているのは、運転だけじゃないのかもしれない。
ローバーミニは1995年式。
30年以上前のクルマです。
娘よりもずっと長く、この世にいる。
今の基準で考えれば、
不便なところはたくさんあります。
でも、それでも残っている。
誰かが大切にして、
誰かが整備して、
誰かが次の人へ渡してきた。
そうやって今、我が家にいる。
そして今日、
僕ではなく娘がそのハンドルを握っている。
そう考えると、
なんだか面白い。
クルマは単なる「モノ」だけれど、
長く大切にすると、
家族の時間を記録するものにもなる。
いつか、僕が教えてもらう日が来る。
今は僕が、
「こうした方がいい」
「そこ気をつけて」
と娘に言っています。
でも人生って分からない。
あと何年かしたら、
「お父さん、危ないで」
なんて僕の方が言われているかもしれない(笑)。
親が子どもに教える時間は、永遠には続かない。
いつか立場が変わる。
だからこそ、
今日みたいな何でもない時間を大切にしたいと思います。
MINIは、やっぱり時間をつないでくれる。
札幌で僕が初めてローバーミニに出会ったころ、
今日という日を想像することなんてできませんでした。
何十年も経って、
再びローバーミニに乗り、
MINIBAKKAという会社まで立ち上げ、
そして娘がそのローバーミニを運転している。
人生って、本当に不思議です。
MINIがずっと僕の人生のどこかにいる。
形を変え、
時代を越え、
乗る人まで変わっていく。
でも、
「MINIって楽しいな」
という気持ちは変わらない。
それが一番うれしい。
2回目は、始まりの続き。
初めて運転した日は、もちろん特別でした。
でも今日思いました。
もしかすると、
2回目の方が大事なのかもしれない。
「一度やってみた」
で終わらず、
もう一度ハンドルを握った。
そして少し慣れた。
少し余裕ができた。
少し楽しくなった。
何かを好きになるのって、
こういう小さな積み重ねなのかもしれません。
3回目。
4回目。
5回目。
そのうち、
「今日ローバー乗っていっていい?」
なんて言われる日が来るのかな。
そのとき僕が笑顔で、
「ええよ」
と言えるかどうかは……
まだ分かりません(笑)。
でも、そんな日が来たら、
きっと嬉しいんだと思います。
今日、娘が2回目のローバーミニを運転しました。
前回より少し自然に。
前回より少し楽しそうに。
そして僕も、
前回より少しだけ安心して助手席に座っていました。
MINIとの思い出は、大きなイベントだけじゃない。
こういう何でもない一日が、
何年後かに一番懐かしい一日になるのかもしれません。
次は3回目。
焦らず、ゆっくり。
娘とローバーミニの物語は、
まだ始まったばかりです。
受け継ぐのは、クルマだけじゃない。
そのクルマと過ごした時間も、きっと次へつながっていく。
MINIBAKKA