― 思い出で終わらせず、次の「作品」へ ―
鳥取・島根、2泊3日の旅を終えて帰ってきました。
出雲大社。
青山剛昌ふるさと館。
コナンロード。
鳥取砂丘。
そして鳥取砂丘コナン空港。
本当に楽しい3日間でした。
でも、家に帰ってきて一日経った今日。
写真を見返しながら、改めて思ったことがあります。
「今回の旅を、楽しかった思い出だけで終わらせたくない」
ということ。
以前の僕なら、
旅行へ行く。
写真を撮る。
美味しいものを食べる。
家に帰って、
「楽しかったな」
それで十分だったと思います。
もちろん、それでいい。
旅は楽しむためのものです。
でも今の僕は、少し違います。
MINIBAKKAを始め、
デザインを作り、
物語を書き、
キャラクターを生み出すようになってから、
旅先を見る目が変わりました。
出雲大社で見たもの。
今回、初めて出雲大社を参拝しました。
写真では何度も見てきた場所。
でも、自分の足で参道を歩いてみると全然違いました。
木々の大きさ。
風。
境内の静けさ。
そこにいる人たちの表情。
そして、あの場所全体に流れている独特の空気。
ネットで調べれば、出雲大社についていくらでも知ることができます。
でも、
「知っている」と「感じた」は違う。
これは今回、強く感じたことでした。
そして『もっちもちMochies』第12話では、だいふくーを出雲へ旅させました。
物語を書いてから、自分自身も同じ土地へ行った。
今度だいふくーが出雲を訪れる場面を描くなら、旅の前とはきっと少し違うものになると思います。
北栄町で見つけた、大きなヒント。
今回の旅で、創作という意味で一番刺激を受けたのは、やはり鳥取県北栄町でした。
『名探偵コナン』。
一つの作品からキャラクターが生まれ、
そのキャラクターが長い時間をかけて世界中の人に愛され、
作者の故郷を訪れる理由にまでなっている。
実際に町を歩いてみると、
「キャラクターが人気なんだ」
という言葉だけでは説明できないものがありました。
駅。
道路。
モニュメント。
施設。
町を歩くこと自体が楽しい。
そこで改めて気づきました。
キャラクターを作ることと、世界を作ることは違う。
僕も今まで、Mochiesのキャラクターをたくさん作ってきました。
だいふくー。
きなこん。
さくらん。
ずんだー。
いそベー。
ごへー。
そして日本各地のお餅をモチーフに、新しい仲間も増えています。
でも、数を増やすだけでは足りない。
大切なのは、
「この子たちは、どんな世界で生きているんだろう」
ということ。
誰と出会うのか。
どこへ行くのか。
何に悩むのか。
何を大切にしているのか。
それが積み重なったとき、初めてMochiesという世界になる。
今回の旅で、そのことが少し見えた気がします。
「全国ご当地もち」という道。
そして、もう一つ。
今回の旅をしながら、頭の中でずっと考えていたものがあります。
日本全国のご当地もち。
日本には、本当にいろいろなお餅があります。
同じ「もち」なのに、
地域によって形も違う。
味も違う。
食べ方も違う。
そこには、その土地の歴史や暮らしがあります。
だったら、
だいふくーが全国を旅しながら、その土地のお餅たちに出会っていったらどうだろう。
北海道から沖縄まで。
47都道府県。
その土地へ行かなければ出会えないMochies。
それを物語にしていく。
これは単にキャラクターを47種類作るという話ではありません。
日本を旅する物語にしたい。
その土地の景色。
文化。
食。
人。
そして、ご当地もち。
だいふくーの目を通して、日本を見ていく。
今回の出雲編を書いて、実際に山陰を旅したことで、その構想が以前よりはっきりしてきました。
MINIBAKKAも同じ。
そして、これはMochiesだけの話ではありません。
MINIBAKKAも同じです。
今、海外を意識して、
富士山。
北斎。
広重。
浮世絵。
日本文化とMINIを組み合わせたデザインを作っています。
でも、それも単に、
「日本らしいもの+MINI」
で終わらせたくない。
実際にその場所へ行く。
景色を見る。
歴史を知る。
そこで感じたものを、自分たちなりのデザインにする。
今回の山陰旅行でも、
「ここをMINIが走ったらどうなるだろう」
と何度も考えました。
鳥取砂丘を背景にしたMINI。
出雲の景色とMINI。
まだ形にはなっていません。
でも、
旅をしたことで、新しい引き出しが増えた。
これは大きいと思っています。
58歳になって、また知らないことが増えている。
若いころは、
年齢を重ねれば、分かることが増えていくと思っていました。
でも実際は逆かもしれません。
何か新しいことを始めると、
知らないことがどんどん増えていく。
会社を始めたら、知らないことだらけ。
デザインを始めたら、知らないことだらけ。
物語を書き始めたら、また知らないことだらけ。
キャラクターを作り始めたら、さらに知らないことが増えた。
でも今は、
それが面白い。
「知らない」は、次へ進む理由になる。
今回の旅もそうでした。
知らない場所へ行った。
知らなかった景色を見た。
知らなかった文化に触れた。
そして帰ってきたら、
また作りたいものが増えている。
以前なら旅行から帰ると、
「ああ、明日からまた日常か」
と思ったかもしれません。
でも今日は少し違います。
「さあ、何から作ろうか」
と思っています。
旅は終わった。でも、物語は続く。
鳥取・島根の旅は終わりました。
でも、今回持ち帰ったものは、これから少しずつ形になっていきます。
Mochiesの新しい仲間になるかもしれない。
新しい物語になるかもしれない。
MINIBAKKAの新しいデザインになるかもしれない。
今はまだ分かりません。
それでいい。
すぐに答えを出さなくても、
自分の中に入った景色は消えない。
出雲大社の空気。
北栄町で感じた創作の力。
鳥取砂丘のてっぺんから見た景色。
全部、自分の中に残っています。
そしていつか、
一枚の絵や、
一つの文章や、
一人のキャラクターになって出てくる。
そう考えると、
旅は帰ってきてからも続いている。
のかもしれません。
楽しかった3日間。
でも、本当の収穫は、
これから。
写真を整理したら、
また机に向かいます。
そして、
一つ描く。
一つ書く。
一つ作る。
旅で受け取ったものを、
今度は自分の手で誰かに届けるものへ。
「楽しかった」で終わらせない。
見たものを、作る力へ。
感じたものを、物語へ。
そして次の一歩へ。
鳥取・島根から帰ってきた今日。
またMINIBAKKAの日常が始まります。
でも、
旅に出る前とは少しだけ違う日常です。
さあ、次を作ろう。
MINIBAKKA